先日納車したフレームをお客さんが組み上げ、見せに来てくださいました。
少し太めなパイプワークと上の写真では見えないシートステーの曲げが特徴。
ラグワークも特徴ですが、あえてラグメッキしないジワジワとシンプルな一台。
メッキのアクセントをステムパイプ、フォークブレード、右チェーンステーにつけていて、比較的シンプルなメッキ使い。
凝ったラグにメッキは高級感もでますが、同時にエグさもでますので、これぐらいのシンプルさが私的ドツボ、乗りたくなります。
その他画像はflickrでかぶりついてください。
真鍮パーツの追加オーダーも頂戴し、誠に光栄感謝。
濃いめのカラーに真鍮パーツはかなり映えますのでまた趣が増すことでしょう。
最近自分特有の作り込みと製作を理解して喜んでくださる方も多く、ほんとに手間をかけている甲斐を感じます。
メッセンジャー業務や街乗りで自ら試した、ストリートにおける優位性と見せ方には相当な自信を持っております。
ジオメトリーの出し方などはうち特有の個性があり、自分ならではの考えを理解してくださる方が多く光栄です。
うちは手の長さなど計測したりとかの類の採寸は実は一度もしたことがありません。
採寸ではセオリー通りの寸法しか測れず個性も出ない。
スタンダードなジオメトリーだったら体型見ただけであらかた寸法予想がつき、測るまでもなく採寸と予想はほぼ合致します。
採寸だけで導きだした寸法はこちらの考えのおしつけであり、個性を無視したようなやり方だと自分は考えています。
ポジションでてるのに、なんか好みと違うなんてことは避けたいものです。逆も然り。
ジオメトリーがよくわからない方には、おおよそ自分が提案し、お客さんの好みを落とし込んでいくような寸法出しをしています。
うちのフレームのジオメトリーは採寸では出ないんです、ひたすら会話で出します。
じっくり話すための予約制なんです。
採寸ではどうやっても個性・ライフスタイルは測れない、ほんと必要なのは会話。
各々の多種多様なライフスタイル・好みの見せ方、カルチャーを理解する精神が必要です。
ヘッドチューブの長い短いどちらが好みとか、シートポストは長めな突出しで設定したいだとか、ステムこれぐらい使いたいだとか、攻撃的なルックスにしたいとか、おかしく見えない範囲でジオメトリーの出し方は多数ある。
日本人は手足が短いのでポジションはでてもフレームが小さく見える、それを解消する独自のジオメトリーなどもあります。
ポジションだけでなく見た目、乗ったときの美しさを考えてこそのオーダー車と考えます。
なんてことをやってると、同じような体型の方がいらしても、フレームサイズが全く異なることもあります。
それが個性ということであるし、面白みがあると信じております。
イメージとポジションが思う通りのフレームになるように、割り出したポジション通りのジオメトリーに測定器をセットし、またがっていただきポジション確認をし良しとなれば、PCでジオメトリーだけの図面はその場で見せています。
その後二次元ですが、出来上がりそのままの図面を見ていただき納得いただいたら製作という流れです。
オーダー車は出来上がるまで見せることが不可能ですので、イメージだけでも最大限見せれる努力をしてイメージと異なることがないように細心の注意を払っております。
少し手間のかかるやり方なのですが、自分を信じてオーダーくださる方を裏切りたくはなく、製作のみでなく製作のプロセスまでも気持ちよくあってもらうために必要なことです。
この方法はうち特有の個性だと思ってますし、お客さんと相談あっての方法です。
採寸もしないなんて信用できないという方は、うちでオーダーしない方が良いでしょう。
信じてくだされば本気で返します。
毎回納得いく仕上がりのフレームはできており、幸いにもお客様のご愛顧も得てきておりますが、しかしまだまだ技術の天辺が微塵も見えず満足するには至りません。
もっと良いモノを作って、もっともっと気に入っていただけるフレーム作りを目指します。