うちの商品は当然手作業にて生まれます。
削りだしパーツも作っておりますが、NCなど当然無い隆天工房なので手作業で引いていきます。
今回作るは以前軽く紹介した真鍮とステンレスの2pc構造でできたハイブリッドヘッドキャップ。
コイツは1pcの真鍮ヘッドキャップを作る手間の4~5倍手間かかります。
真鍮、ステンレス、それぞれ丸い棒から切削していく。
2pc構造なので、がっちり適合するように精度を追い込む。
2つ両方に気をつけねばがっちり美しく嵌合しない。
圧入に近い精度になるように削っていきます。
途中だいぶ手間かけてやっと2つのパーツが完成。
ネジまでツラだして削りました。
アールを美しくきめるのが相当大変。
真鍮のゴールドとステンレスのシルバーの輝きが一緒に楽しめます。
日に3~4個ぐらいが限界の手間のかかるキャップです。
いまどきこのようなモノを手作業で作る職人も少ないかと思う。
効率の悪いとても面倒な事をやっているのかと思います。
手作業、ハンドメイド。
お客さんにとってはどうでも良いことなのかもしれません。
手作業だから良いモノなんです、というわけではありません。
手作業だから何?って感じの人もいるでしょう。
量産品でも気の利いた良いモノはあるし、手作業であるということを売りにするのは少し違う。
何を以て良いとするかは自分では無く、お客さんです。
この作業を行う最中、削りすぎて駄目にした材料もあります。
未熟ゆえか、旋盤に手を当ててしまい指の爪を一つ飛ばしました。
こうしたリスクを乗り越えながら、手間を惜しまず作れば、やっと商品に己の魂を宿すことができるわけです。
効率や利益を求め、こういった手間を省けばもっと仕事も楽になりましょうが、目を露骨な¥印にしたくありません。
そんな魂とやらを感じてもらえるか、感じもらえないか、それはわかりません。
感じてくれなくても良いです、こっちは勝手に込めております。
でもヘッドキャップにいちいち魂込めるような、効率の悪いことしか出来ない馬鹿の心意気、少しだけ感じていただければ幸いです。
磨きに終わりが見えません。
磨き抜いた先に何か見えそうな気がしてなりません。