先日に引き続き、メッセンジャーへ納車。
自分が前にやっていた仕事ゆえに、メッセンジャーには少々特別な思いがあります。
うちの中では少しレース向きなフレームでしょうか。
クロモリの中ではかなり太めなパイプなので剛性強め、肉薄の部類ではないのでタフさも兼ねています。
このタフネスさで彼の俊足を受け止めます。
うちらしいシンプルなロゴの入り方と、さりげなくトリプルトライアングルなシンプルなフレームでした。
先日のフレームも今回のも、まだ組みあがっていない状態なので、組みあがった姿を撮影できたらアップすると思います。
お楽しみに。
続々とユーザーさんが増えてきて有難く感じております。
それでも絵に描いたような自転車操業ではありますが、お客さんが全く居ない日々も経験しているので本当に光栄です。
ユーザーさんが増えてゆくに伴い、期待に応えるべく圧し掛かるプレッシャーと責任も増幅してゆく。
以前は出来なかった事も出来たりして腕も上がってますが、納得できるクオリティも上がり続ける。
良きお客様方の様々なフレームを作らせていただき、心身共に鍛えられ続けています。
自分はもう十年以上前からフレーム製作をやりたかった。
いざ自分で工房をかまえて作れるようになり、独立したてのお客さんが全くいない頃に、思ったよりできるものだ、などと浅はかな考えを抱いていた記憶がある。
作れぬうちは至高の業だと思うが、作れるようになってくると少し簡単に思ってしまうのかもしれない。
今思えば心底、軽率な思考だったと思う。
簡単などと思っているうちは程度の低いモノしか作れていない。
しっかりと作りこまれたモノというのは、様々な失敗とそこから生まれた英知が集約されたもの。
数多くの苦労を乗り越えてきたプロセスがあるわけで、簡単であるはずが無い。
自転車と言えど、命を預ける立派な乗り物。
ただ自転車を作る、責任をもって人様の自転車を作りこむ、とでは次元が全く違うのだ。
自転車製作、未だ未熟ゆえに日々難しいと感じていますが、技術の伸びしろも先が見えないぐらい長く感じるところが楽しかったりします。
初志貫徹も忘れずにいたいところですが、初期と今では心構えの次元が違います。
心構えで一つで何が変わるかと言えば詳しくは書きませんが、あらゆる面で何かが大きく変わります。
怠慢な製作をしないよう、嫌でも目に付く我が動線のド真ん中にコレを貼りつけています。
買う身になる。
その責任は製作相談時から始まって、製作終了して終わりではなくRew10の屋号が生き続けている限りはずっと続いていくのでしょう。
自分にとっては数多く作る中の一台なのですが、お客さんにとっては一世一代の一台であるはず。
と、器の小さい未熟な己に言い聞かせつつ。
そんな出来た人間ではないので気が抜けぬのですよ。
当たり前ですが、当ブログは嘘や誇張表現は一切無しがモットー。
出来ぬ事やしていない事は書きませんし、書いた事は一台一台すべてに守ってます。
今は大作に取り掛かっています。それはもう重圧です。