良いモノとはどんなものだろうか?
常々、頭の中にある考え。
人それぞれ良いと思える尺度は異なることだろう。
速い、軽い、個性がある、かっこいい、使いやすい。
正解はその人が見出せば良いと思う。
なんにせよ、所有欲を満たせるのが良いモノ。
お客さんのフレームはその人が良いと思えるように如何に考えを汲み取り形にしていく訳だが、自分が良いモノと思えるものとは、成るべくして成っているもの。
自転車は道具、使いやすいものが良いものと思える。
内装工作。
ハンドメイドを象徴するような加工。
凝って見え手間のかかる仕様であるが、自分にとって難しい工作とは思えない。
手間がかかる工作と、難しい工作は似て非なる作業。
そして使いやすくなるか、と言うとなりにくい。
トップチューブにリアブレーキ用の内装工作を施すぐらいならばさほど扱い難さもないが、シフトケーブルもすべて内装工作をすると、かなり組み付けしにくいフレームになることが多い。
デメリットが多く、外装仕様よりいじり易くなることもまずありえないので、シフト系の内装はあまり推奨していない。
目立たなくとも、しっかりとした意味があればそれが美な気がする。
良いモノというのは使いやすく、細かいところに気が利いている。
神々し過ぎたりしても普段使いがしにくい。
コテコテな個性で目立ちすぎる仕様も飽き易い。
さりげなくシンプルに。
わざとらしい個性ではなく、質感・雰囲気の個性。
常日頃自然と使ってしまうような、在って便利なものではなく無くてはならないもの。
それが自分の理想形な気がしてきた。
高い次元で成るべくして成っているものというのは、デザインなどするまでもなく個性があると信じている。
自分は勿論まだまだ行き着かないが、その高みを目指していたい。
目立つのを優先していたような自分の過去作。
見た目だけに思える考え、ルックスも大事だが今は意味のある深みを渇望するようになった。
この考えが進化なのか退化なのか、それは人が判断してくれれば良い。
良いモノとは?
それはよく相談し一緒に見出していきましょう。