2013年5月アーカイブ
Rew10でおすすめのフォークは当工房のクロモリフォーク以外にもございます。
前にも一度紹介したWOUND UPです。
最近のカーボンフォークにしては決して軽い部類ではないのですが、それ以外に良いところが目立ちます。
当然クロモリフォークよりは軽くなります。
丸くて程よい太さのブレードがクロモリフレームによく似あいます。
独特のアルミクラウンとカーボン織り目も非常に雰囲気が良い。
オフセットも多彩に設定されていて、少し取り寄せに時間はかかりますが用途に応じてカスタマイズできるところもビルダーにとっては良いところです。
10年以上前ですが、メッセンジャーをしていたときもこのフォークを使っていて、取り付けたとき感じた良いフィーリングと高揚感は鮮明に憶えています。
昔所有していたものはもう少しクラウンがソリッドで無骨でしたが、今のものは丸みを帯びた形状になっていて進化を感じます。
以前注文した私物のレア仕様フォーク、TEAM X DISC 1"が先日届きました。
こんなニッチな要望にも応えてくれるのは嬉しい限り。
現在通勤で使っている隆天號がかなり重厚なので、以前乗っていた通勤車に搭載し、少々軽量化しようかと取り寄せたものです。
自分の自転車などいじっている余裕がないので組むのはまだまだ先になりそうです。
その間にこのフォークをご所望のお客様がいらっしゃいましたらお売りします。
DISC用フォークはROAD用の肩下もあるので、ロードバイクにディスクブレーキを搭載することも可能です。
少しベタ褒めでしたが、クロモリに合わせるのならばこれと言って大きな欠点も見当たりません。
カーボンフォークならこれがおすすめです。
最近人気のENVEなどのほうが軽いですが、当工房のフレームにはWOUND UPのほうがしっくりとくる気がします。
オーダーのお供に是非。
ちょっとしたカスタマイズもフレームオーダーと同時に行えば、フレーム完成時にはフォークも出来上がっているかもしれません。
最近のイレギュラーな動きの帳尻合わせで定休日なのに出勤です。
知人の骨董屋からのレストア&カスタム依頼の紹介を。
元メッセンジャーのこの男、今やまったりとしか乗らない。
知人からどこかの国の軍用自転車を手に入れたと見せにきたのですが、この自転車が奴にぴったりと判断し各部カスタムをして乗りなさいと伝えました。
奴の手荒い扱いにも耐えうる重厚タフネスなパイプ使い、ジオメトリーも奴のライフスタイルにばっちり適合、ルックスもなんとも似合う。
パーツの腐り具合がなかなかだったので、駆動系は総入れ替え。
ハンドル等のパイプ系のパーツは錆びてはいるがそのまま使用。
カスタム後です。
自分のCORTEN隆天號をベースにパーツの相談を進めました。
フレームに良い感じのどんくさいところがあるので、その雰囲気を壊さぬようにあえてどんくさいパーツを選択しています。
変に高級パーツとか近代的すぎるデザインのパーツを入れると、この場合バランスが悪くなると思えます。
何かあったときに楽なように現在流通している規格に細部をすべて改造してあります。
奴のライフスタイルだと変速できないと面倒でおそらく乗らなくなってしまうので、エンド幅を拡張して内装8sアルフィーネを装備。
予算の都合でライトは積んでいませんが、ダイナモハブは仕込んでおいたので後のカスタムは楽でしょう。
その他、街中で便利なものはおおよそ装備済み。
奴も自分と同様に自転車降りればサイクリストと認識されないような風体です。
自分の自転車と同様に、自転車に乗る用意を極力省くような仕様です。
自転車に自分を合わせるよりも、自転車を自分に合わせるという運び方。
最近Rew10では重厚でホイールベースの長いどっしりクルーザー系のオーダーも増えています。
俊敏走行系ではなく、低速街中重視の利便性や重量物積載などとなればこういった重い自転車もかなり良いです。
レース用のものと比べ、重いですが耐久性は相当に向上します。
今回のはうちのフレームではありませんが、こういった性能を追求しての製作もかなり面白いです。
軽さや繊細さなどが重視されがちな業界なので、個性を出せる領域に思えます。
軽いに越したことは無いですが、それだけが良さではない。
用途によっては重厚ってのも悪くありませんよ。
自分の仕事はここまで。
こいつは削っただけの状態では木目状の模様がでない。
先ほど引き渡してきました。
これからBOREDさんの手で見事な紋様が姿を現します。
インターネットのおかげでビルダーさんの製作途中とかの写真を目にする機会が増えてきました。
うちには少々理由があり、製作途中の写真紹介というものが少ないです。
まず一つは、集中して製作している最中にカメラをかまえるような心境になることがほぼありません。
フレームオーダーってのは安くは済みません、うちを信頼していただき一台ご依頼くださるということは本当に有難い事だと思っています。
そんな心境からかそれなりの気持ちで製作させていただいているつもりなので、どうも写真を撮るということは心の中から消えてなくなっている状況がかなり多いです。
出来上がった安堵と達成感でもないと、写真でも撮ろうかなという心境になれません。
一人で全業務を行っているので、自分がこうだと写真も当然撮れません。
そしてもう一つの理由は、オーナーさんに一番先に見ていただきたいということです。
自分がオーダーする側に立ったとき、自分が現物見るよりも先にウエブに掲載されていたら少々心中複雑。
出来上がりを見る、それを一番先に出来るのがオーナーさんの特権。
うちのは部分的であっても誰のか判別できてしまうことが多いので、判別できてしまうものは部分アップもしてません。
オーナーさんに現物出来上がりを直に見ていただき、掲載許可をいただいたらアップするという流れになってます。
未掲載の自転車もあります。
多くの方にみていただくのも大事な事かもしれません。
自分の求める方向性は名声を上げて数多くのフレームを作るということではありません。
万人受けするものということではなく、共感してくださる方々と信頼関係を築き、意味深い製作をする工房でありたいと思っています。
所詮は一職人、作ることだけしかできないということでしょうか。
プロモーション的動きが益々苦手になりつつあるような気がします。
でも同じオーナーさんから2台目3台目とリピーターも少し増えてきて、信頼し合って出来上がる楽しみが最高です。
これもエゴかもしれませんが、自分だったらどうして欲しいか、それだけです。
当工房は予約制になります。
気持ちよく相談を進めしっかりと形になった製作が出来るよう、専用の時間を設けるのが理由になります。
Rew10worksは町工場であり、店舗ではありません。
当工房の性質上どうしてもタイミングが良くない瞬間があり、ショップさんのようにいつ何時変わらずいらっしゃいませと言えません。
それなりの気持ちを込めて製作させていただいているので、集中している最中等ですと気持ちの切換えが急に出来ず対応しにくい事もあります。
折角お時間割いてお越しくださったお客様に対し、極力良き対応を心掛けております。
事前に来訪状況を把握できれば、快く対応できますので少し用意をしてお待ちしております。
フレームオーダーという大きな買い物をご決断くださった相談等もありますので、その時間は個々のお客様だけを対応したいので予約重複がないように管理もしております。
ご予約は事前に電話かメールでご来訪予定日時をお伝えいただくのがベストですが、これから行っても大丈夫?という簡単な電話だけでもかまいません。
電話に出ないときは、作業に没頭していたり不在等でタイミングが良くない時ですので、申し訳ないですがその際は諦めていただいてまたの機会にお願いします。
ご予約日時相談の際、工房の都合に合わせますとおっしゃってくださる優しい方が多いですが、お客様ご都合の来訪予定時刻をご指定くださったほうが話が早いです。
営業時間は取り決めておりません、とりあえずはこちらの都合などは全く気にしていただかなくて良いのでお客様のご都合で時間をお伝えください。
予約制で敷居が高いと思われますが、ただ連絡一本入れるだけです。
皆様が思うほど敷居も高くありませんので、ご予約とご相談はお気兼ねなくどうぞ。
当工房にとって予約というのは良い相談・業務を行う上でとても大事なことです。
たった一人で全業務経営しておりますので、ご迷惑おかけします。
お手数おかけしますが、事前ご予約にご協力ください。
毎週水曜日定休、毎週土曜日定休 (その他不定休がある時はブログで告知)
予約制 時間は応相談
同じ環七に工房をかまえるBOREDさんが10周年企画でダマスカス鋼を使用したレンチを先日発売されました。
BOREDさんのブログを見てダマスカスレンチ発売を知ったときに一瞬でインスピレーションを受け、自分も即時購入させていただきました。
後日挨拶に伺った際に、『コレでなにか作って。』と言って渡してくださったのがダマスカスの残材、有難くお預かりした。
この残材を用いて製作させてもらったのが、ダマスカス鋼のヘッドキャップ。
お互いの好きな世界観も似ているので、これが出来上がったときは双方かなり盛り上がり、コラボレートで製作という流れになりました。
ダマスカス鋼はナイフなどによく使われる素材で、今回のVG10ニッケルステンダマスカス鋼は5mm厚で30層ほどにステンレスとニッケルが鍛造で折り重なったモノ。
鍛造で出来ていることもあり、こいつがなかなか切削が困難。
しかし削っていくにつれ木目の年輪のような紋様がうっすらと浮き出てくる。
天然素材のように波紋がどうでるかはわからない。まさに一点モノ。
材料の特性次第であるし、自分の削り方でもかなりの変化か出てくる本当に面白い素材。
削ったままだとかなりうっすらとしか波紋が見えないのですが、研磨や色付けで相当に高い技術をお持ちのBOREDさんがそれを色濃く引き出してくれます。
自分が良しと思い造形したアールと波紋のでたキャップを、BOREDさんが薬品を使い波紋に凹凸をつけ、より素材の良さを引き出す研磨と表面処理を行い赴き深きモノへ仕上げる。
こうしてお互い協力して生まれるリアルハンドメイドのダマスカスヘッドキャップ。
当然このようなものは世に無いので、シンプルながら非常に個性がでます。
タフネス&ヘビーって方向性は通常の自転車業界では敬遠されますが、男は重厚感とか素材の味とかが好きな人は多いはず。
今回のキャップはBOREDさんのWEBSTOREで販売します。
希少な材料ゆえに数量限定なので、タフ&ヘビーが好きで気になった方はお早めにどうぞ。
BOREDさんのWEBSTOREはかなり動きが早いので、ゆったりしているとすぐなくります。
自分等のような素材感・無骨・重厚感に目がない人にとっては本当に深遠な素材。
Rew10初のコラボレート企画ですが、相当にお互いの考えがリンクしたコラボなので初にして手応え感じてます。
今回本当に良い機会を頂戴することが出来、BOREDさんには感謝に尽きます。
本当に雰囲気が良いので、是非皆様にも経年変化と素材の味を楽しんでいただきたいと思っています。
乗ってて一番見える場所なので見惚れます。
追加情報あれば後日アップします。