ラグも同じようで色々とある。
3つシートラグの写真。
左から、プレスラグ、日本製ロストワックス、台湾製ロストワックス。
プレスラグは素材は悪くないが、ラグカットしないとありえないぐらいチープな仕上がりになる。
クランプダボ部もプレスゆえに丸すぎて、印象はかなり懐古的か安っぽく見られがち。
こういったそのままではイケてないラグも、良い形状にカットして薄く削り込んだり、しっかりと手間をかければ決して悪くはないと考える。
当然、当工房でこのラグを使うときは相当に手間をかける。
ロストワックスは日本製と台湾製できめ細やかさがまるで違う。
台湾製のは形状や規格が様々存在し、選べる反面クオリティが日本製に比べ落ちる。
表面が比べて少し劣るが、しっかりとしたロウ付けと仕上げをすれば悪くはない。
適合パイプ径も豊富で多種多様の製作するのには良かったりする。
日本製のは種類がなくショートポイントで個性は控えめだが、ラグのアールや表面や内面もなんとも美しく精度も高い。
質感も良く端面も薄い。
マテリアルだけで見たときの美しさは類を見ない反面、ビルダー側の技術をあまり要さずとも、比較的綺麗なフレームが作りやすい。
材料として本当に素晴らしいが、そのままでもなんとなく形になってしまうところは作り手の心意気と個性を見せにくい材料ということになってしまうかもしれない。
少なからず個性を込めるのがうちの信条、材料に頼ったままではなく少々削って使用する。
材料を生かし、持てる技術で個性を。
材料のせいにせずしっかりと性質を見極め、良いフレームを作りたい。