2013年7月アーカイブ
本日はちょいと変則的なブログをお送りします。
少し長いのでウザいと思う人はシカトしちゃってください。
よく見させてもらっている自転車関連のサイトがあります。
http://www.copenhagencyclechic.com/
http://www.flickr.com/photos/mellbin/
主に欧米各国の街中を駆ける自転車乗りのスナップを紹介しているサイト。
ここで紹介されている皆さんは実にリアリティに溢れている。
自分を自転車に染める感じではなく、自分という人間にあった自転車を選らべているような気がして、見ていて楽しいスナップが多数でちょくちょく楽しんでます。
適当にいくつか私的独断と偏見で勝手なストーリーを作り、勝手に妄想しつつ紹介してみる。
こんなさりげなく自転車に乗れている叔父様は渋い。
乱雑に乗っている荷物から自然な生活感を汲み取れる。
こなれた感じの普段乗りがなんか良い。
果敢にもこんな雪の中で自転車乗っている貴婦人を東京でも見たい。
通勤路で見かけたらそれだけで見惚れてしまいそう。
雨や雪の日の自分の通勤路はスポーツ自転車はめっぽう少なくなるので、これだけで立派なサイクリストに思える。
どんな天候だろうが怯まず自転車に跨っていただきたい。
雨の日や雪の日にしか見えない事もある。
日本人ならこの状況下では自転車を選択せずおおよそ車、メッセンジャーでもこんな荷物はご免だ。
何処へでも『自転車で行けば良いじゃない。』で済ませてしまいそうな婦人に是非日本でもお会いしたい。
レザーを纏い全く自転車らしくない恰好、しかし自転車も洒落ていて全体的にかっこいい。
日本だとライダースってバイク乗り的ジャケットなところがあるが、自転車乗りだってライダーである、これも正しい着方。
この人が何を運んでも何処へ行っても乗りやすい自転車を作ってあげたい。
高いヒール&ゴージャスな毛皮&格好良い自転車。
こんな組み合わせな人は日本だと相当に希有な人種。
できれば乗った姿を見たいところだが、絶対に自転車に乗ることなど先行させていない恰好。
きっと乗りにくいに違いないが、そんなのは関係無しでこの人には自転車での移動が欠かせないという意思表示。
このセレブ的恰好で自然に自転車を選択してしまうのが実に素敵な、日々の道具感を感じれる一枚。
日本のこの類のマダムはママチャリすら乗ってくれない方がほとんどだと思われる。
奇跡的に過去お一方だけこういった素敵なマダムのお客様が居たが、街中でこういった人に遭遇したことは無い。
エルボーパッチ付のジャケットが非常にきまっているナイスガイ。
細かい箇所までスタイリッシュかと思いきや、チャイルドシートで匂わせる家族愛からのリアリズム。
日々この自転車に子供を乗せ、良いお父さんしてることでしょう。
自転車も非常にさりげなくきまっていて、自分と同じタイヤに親近感。
こんな洒落たお父さんに憧れる。 サングラス欲しくなってきた。
イカつい夫婦?兄妹?
見てくれは怖いが話せば良い奴な気がしてならない。
この髭親父、風体通りに自転車もファンキーで己をわかっている感じに好感。
こんな怪しいホイール構成のフレームは一体なんなのだろう。様になっているから良しとする。
あくまで適当に目についた一例を適当にアップしましたが、その他膨大なスナップがflickrで見れます。
その他、お洒落な美人さん、アウトローな若者、セクシーすぎる姉様、さわやかな紳士、子どもやペットをカーゴバイクに乗せてにこやかな家族、変態自転車野郎、等々。
どなたも本当に魅力的。
なんでしょう、このとってつけた感じの無く皆自分のモノにしている感。
ここに紹介されている人たちは日本とはかなり異なる法則なのか、自転車降りたら自転車乗りだと認識できない人が多い。
サイクルウェアを全く身に付けない自転車との付き合い方もある。
ありのままの自分のスタイルで自転車に跨り、颯爽とペダルを踏めば愛車と人馬一体。
それが自然すぎるぐらいに各々のライフスタイルに適合している。
スタイルはどうあれ世間に合っていないと思われようと、人に迷惑かけずに自分が好きでやっている事であるならそれで良いし美しいと思う。
服飾土壌の違いなのか、欧米人とアジア人の違いなのか、ただただセンスの違いなのかはわからないが、自転車だけでなく服装もコスプレ感がなく自然でかっこよく見える。
そしてどなたも大事に乗ってそうな、ある種の自転車愛があるような。
親から受け継いだかのようなヴィンテージ車であろう自転車も多数乗られている。
広く様々な人に日常の道具として認知され自転車が愛されているのが垣間見えます。
自転車作る仕事していて難ですが、自転車だけをライフスタイルの中心に持ってきたくないと思っています。
我が人生において自転車がすべてではなくライフスタイルの一部に過ぎません。
他に興味あることも多数あります。
自転車は自分には欠かぬモノですが、身も心もすべて自転車に染めてしまう気はない。
様々な世界を知ることで表現できる自転車もあると思っています。
アンテナを広く持っていたいだけで、他の道に進みたいということではありません。
自分なりの強い表現をできるのは結局自転車のみであろうから、人生に欠かすことのできない大事な道具を目指して作り続けることでしょう。
こんな自分にとって自転車は乗るより作るほうが多いので自転車乗りである以前に鉄工の職人。
なので通勤ではおおよそ仕事そのままのワークスタイルで自転車に乗っています。
鉄工作業でへこたれないタフで重厚なワークウェアは、ごく一般には自転車に乗りにくい恰好だが自分には自然の成り行き。
プライベートで着てる普段着もワークウェアが主体で、やれてきたり飽きてきたら仕事着にするルーティン。
昔からワークウェアは好きでよく着ていましたが、この仕事をはじめてからやっとワークウェアの良さが真に理解できた気がします。
そんな恰好での通勤ですが、あまり汗をかかないようなゆったりとした乗り方をすれば、どんな服装でも案外心地よいものです。
愛好家だけの道具ではなく、もっと広く認知されたらこういう街になるのかもしれません。
毎日、文京から市ヶ谷・四谷・青山・原宿・渋谷・世田谷等というルートで片道約14kmほど通勤しています。
錆びた愛車でゆっくりと流しながら、街中の事情や流行、数多の自転車乗りを観察して勉強しています。
街の方を見ていると、当然ながらママチャリ多数、その他自分に合わせたような一台ではなくただ安い自転車に乗っている人か、レース会場かのようなジャージ姿の方が多い。
愛好家と思われる自転車乗りもコミューター的なものは少ない。
この類の街乗り的なカテゴリはまだ日本では弱い気もするが、増えてほしいと願ってみる。
美人OLの姉様がガシガシ漕いでるとか、エグいセレブな人が高級自動車ではなく何故か自転車に乗っている様や、家族で自転車を楽しんでいる姿を通勤路で見たいものです。
まあ、スポーツでも日常使用でも楽しみ方は自由。
勿論、街以外でも山やレース会場等、様になっている人は本当に輝いて見えます。
こういう日常の世界観が好きで過去にメッセンジャーをやっていた理由の一つだったのを思い出します。
レースシーンはよく取り上げられるけど、こういった街乗りの紹介は少ない気がしたのでちょっとした雑言でした。
こういう日常の風景って人間の息吹を感じられて、其々の人生観も滲み出ているようでなんか美しく感じるんです。
これを見ていると自転車は多種多様で本当に面白い。
新しいもの、旧いもの、自由なスタイルは楽しい。
多様なご要望にお応えできるオーダー製作が役立てば幸いです。
個々を思考と生活を如何にして汲み取り具現化するか。
自分なりに培った知識と経験と感性を駆使して自転車を作ることで、ライフスタイルの手助けをさせていただくのがRew10の仕事だと思っています。
工房立ち上げて少し経ってから自作で作り上げた冶具。
とある冶具に大いなる敬意と感銘を受け製作したモノ。
当工房最初期の2~3台は冶具無しでビルドしていました。
ある程度以上技術ある職人ならば冶具が無くても同じ精度で作れると思うが、冶具無し製作はかなり作業性が悪かったのは鮮明に記憶に残っている。
多少の機材は必要だが、冶具はないと作れないということではないし、整った良い機材でないと作れないというのも寂しい。
どんな機材でも己の腕一本でピシャリと作れる職人で居たいもの。
当時四畳半のイナバ物置が工房だったため、冶具ぐらいないとお客さんにたいして説得力もでないだろうとか考えて、効率向上も含め作り上げた道具。
作りたいのは鉄のフレームだったので鉄には鉄だと、アルミ製の冶具ではなく鉄でなんとか形にしたかった。
小さな機械しか入らないクソ狭い工房の設備でよくこんなもの作ったと、当時に己に感服する。
今以上に資金に乏しかったので、自分で作るしか選択肢が無かった。
おかげで材料費だけで済んだが、その製作労力たるや半端じゃない。
本来こんな大物を削るべきではない馬力の少ない小さな機械の前でずっとマイクロゲージと向き合い、ほんとに僅かずつ時間をかけて切削していたのが懐かしい。
細部見ると集中力が途切れてしまった憎めない痕跡もあるが、大事な箇所はしっかり作れているので使用上問題なく動作してくれている。
今まで作ってきた自分の製作物の中で何が一番大変だったかというと、今現在でも良く働いてくれているこの冶具です。
自分の道具は自分で作る、作った奴にしかわからない領域がある。
なかなか自分で冶具を作るビルダーも少ないとは思うので良い経験できたと感じる。
今の技術を用いれば、この冶具よりもより良い冶具が作れるが、当時の労力以上になるのは必至。
うちのフレーム製作により適合させオリジナリティも含めた冶具製作に是非また挑みたいものだが、腰が重いというか当然仕事優先なので作っている時間など無し。
おそらく当時の暑苦しすぎる情熱には勝てません。
執念通り越して怨念じみた、諸々籠った呪物の道具です。
うちで一番多い塗装がクリアのみのRAW。
使っていくうちに塗膜の下から錆が浮いてくるので、その辺を十分説明してご理解いただいた上で塗装しています。
自分にとってRAWを希望してくださるというのは、最高の誉れに感じます。
少なからずうちの製作痕跡を好んでくださった証だと勝手にプラスな受け止め方をしています。
RAWの状態を見せたがらなかったり、RAWを受け付けなかったりとかの作り手が居たり居なかったり、という風の噂を聞くと少し不思議。
ご遠方のお客様以外は塗装前の出来上がりを見ていただきながら塗装の打ち合わせをすることが多いです。
フレーム現物をご覧いただきながらの打ち合わせはイメージもしやすいとも考えています。
塗装の詳細が不明ですべてのフレームをRAWだと思って作っていれば、生地の質感で勝負しなければならないので邪な気持ちもでてきません。
なので、初回製作相談時には塗装詳細を伺わないことも多い。
勿論、詳細がわかっていようと仕上げを変えたりは決してしませんが。
生地の状態を見せられなかったり、塗装しなければ個性も感じないフレームならば自分の力量などそんなものです。
塗装やメッキをして綺麗であったり、ロゴや塗装に頼った個性というのは、半分自分の造詣ではなくコーティングを行った職人さんの技術・センスの良さでもある。
塗装も含めてのフレーム製作であり工房の個性であるとは思うが、一作り手として生地で勝負できずコーティングだけに頼っているようだったらなんとも悲しい気がする。
コーティングで微細な粗をごまかすような行為は好みません、隠すぐらいなら恥かいたほうがマシ。
恥かけば悔しいですから改善も早い。
こんな考えを持っているので、お客様も感じ取ってくださるのかRew10フレームはロゴが目立たないものが多い。
RAWは少なからず錆びていくので、コーティングの質としては通常塗装のほうが上ということ考えると、オススメでない部分も多少あるのですが...
通常塗装でも塗膜の下は多少錆びますが、RAWは透過してそれがすべて見えます。
この辺はご理解の上で是非RAWをお楽しみください。
サブ万力がRew10のハードワークに耐えきれず壊れた。
鋳物の断面を見るとスカスカで質が悪い。
新品で買ったのに僅か一年ほど、いきなり折れる見事な破断。
やはり安物は使い物にならない。
新しい万力を新調した。
鉄工所勤めの頃に使いやすくて惚れ込んでいたORIENTALの万力。
しかもこいつはヘッドが回転してくれる優れもの。
前からずっと探していたものなのでかなり気に入っている。
細部の質やネジ類の重厚感なども前のクソバイスとは次元が違う。
幸い状態も良く、使い勝手も良い、比較的綺麗に残っているゴールド塗装もなかなか良い。
これぞ道具という無骨なルックスも自分の製作意欲を掻き立ててくれる。
良い道具を使うと兎に角気持ちが良い。
皆様が自転車パーツを物色するように、自分は工作機械や工具を日々物色するのが趣味みたいなものです。
使い勝手、質の良さ、外観も勿論大事ですが、裏側、内部、ネジ等の作り込みに痛く心を奪われる変わった野郎です。
どんなものでもブランドや薀蓄などにはほぼ興味なく、ひたすらこういったモノの見方しかしません。
このバイスも手元に来た瞬間に全バラシして、構造を理解するとともに内部の作り込みに萌え、オーバーホールを楽しみました。
粗を探すという事ではないですが、バラして内部構造を理解し必要に応じて調整するというのは永く付き合っていく上で重要な儀式です。
道具というモノに惹かれます。
どんなに手が込んでいても、見た目だけで何故そうなっているのか理解できない構造物には感動できない。
とある性能を突き詰めていった結果に勝手についてきたようなデザインにこそ、自分はリスペクトできます。
難しい製作と、手が込んだだけの製作は似て非なるものと思っています。
初期の自分の製作なんかはまさにそれで、情熱はそこそこ凄いのですが手が込んだだけのモノ。
初めたばかりの焦りからか目立つことしか考えていなかった時期、今考えれば理念も技術も浅い甘ちゃんです。
まあ、そんな時期があったからこそ今がある訳です。
工作機械、工具、ミリタリー物、ワークウエア等のような、すべて実用性から生まれてきた道具を愛しています。
これらは飾りなんてものはついていない、ひたすら実用主義。
でもそれが自分の求める最高のデザインであります。
自分の作るフレームもそんな実用主義の道具でありたいと考えています。
うちのフレームがロゴも目立たず、最近シンプルなものが多いのはこういった考えの表れなのです。