サブ万力がRew10のハードワークに耐えきれず壊れた。
鋳物の断面を見るとスカスカで質が悪い。
新品で買ったのに僅か一年ほど、いきなり折れる見事な破断。
やはり安物は使い物にならない。
新しい万力を新調した。
鉄工所勤めの頃に使いやすくて惚れ込んでいたORIENTALの万力。
しかもこいつはヘッドが回転してくれる優れもの。
前からずっと探していたものなのでかなり気に入っている。
細部の質やネジ類の重厚感なども前のクソバイスとは次元が違う。
幸い状態も良く、使い勝手も良い、比較的綺麗に残っているゴールド塗装もなかなか良い。
これぞ道具という無骨なルックスも自分の製作意欲を掻き立ててくれる。
良い道具を使うと兎に角気持ちが良い。
皆様が自転車パーツを物色するように、自分は工作機械や工具を日々物色するのが趣味みたいなものです。
使い勝手、質の良さ、外観も勿論大事ですが、裏側、内部、ネジ等の作り込みに痛く心を奪われる変わった野郎です。
どんなものでもブランドや薀蓄などにはほぼ興味なく、ひたすらこういったモノの見方しかしません。
このバイスも手元に来た瞬間に全バラシして、構造を理解するとともに内部の作り込みに萌え、オーバーホールを楽しみました。
粗を探すという事ではないですが、バラして内部構造を理解し必要に応じて調整するというのは永く付き合っていく上で重要な儀式です。
道具というモノに惹かれます。
どんなに手が込んでいても、見た目だけで何故そうなっているのか理解できない構造物には感動できない。
とある性能を突き詰めていった結果に勝手についてきたようなデザインにこそ、自分はリスペクトできます。
難しい製作と、手が込んだだけの製作は似て非なるものと思っています。
初期の自分の製作なんかはまさにそれで、情熱はそこそこ凄いのですが手が込んだだけのモノ。
初めたばかりの焦りからか目立つことしか考えていなかった時期、今考えれば理念も技術も浅い甘ちゃんです。
まあ、そんな時期があったからこそ今がある訳です。
工作機械、工具、ミリタリー物、ワークウエア等のような、すべて実用性から生まれてきた道具を愛しています。
これらは飾りなんてものはついていない、ひたすら実用主義。
でもそれが自分の求める最高のデザインであります。
自分の作るフレームもそんな実用主義の道具でありたいと考えています。
うちのフレームがロゴも目立たず、最近シンプルなものが多いのはこういった考えの表れなのです。