工房の前にずっと放置された自転車が三台も。
ここはちょうどゴミ捨て場に位置するのだが、回収もされずにずっと放置されている。
以前も放置自転車があり長くかかってやっと回収された、でも今回は回収もままならずただ迷惑な存在で可哀想な事になってしまってる。
自転車として生まれたのに、もはやただのゴミ。
悲しい末路。
安すぎて愛着もないからこうなってしまうのだろう。
自転車はエコだのいいつつも、こういった運命が強いようなものを大量に生産し続ける矛盾のような現状。
現状が変わって欲しいと願いつつも、自分のような力も無い一般人には何も出来ず。
唯一出来ることがあるとすれば思うモノを作り続けることだろうか。
モノを大事にして欲しい。
それとは逆行して作った一台、かなり色がついてくれました。
風体は錆々でゴミのようですが耐候性鋼であるこの自転車、普通ならば忌み嫌われる錆も気にするまでもなく良い味となります。
日々これに跨り通勤しています。
雨の日は錆が進行してくれるので楽しかったりするのも良い心境変化。
ステンレストップチューブは跨った時に錆が服に付着しないように考慮した仕様、かなり良き性能として現れています。
超重量級重厚自転車ですが、ゆったりとした速度しか必要でない自分にはぴったりです。
東京の通勤路は動く障害が多いので、速度上がれば事故率も上がり危険です。
全業務一人で行っているので、事故起こしたら全業務止まってしまいます。
こういう自転車に乗るのも業務を遂行するのに大事なことです。
自分のような貧脚でも速度がでてしまうロードバイク寄りの車種はライフスタイルに向きません。
速度がでない自転車というのも自分にとっては一つの良い性能になります。
でも走らないということではなく、しっかりと安定し快適な走行感で日々を支えてくれています。
自分のライフスタイルにおいて今まで作った中で一番ぴったりとあった良い一台と思えます。
低速度域近中距離市街地専用車、その通りの性能。
自分が世に存在しなくなってもこの自転車は存在し続けてくれることを願って製作しました。
しかも展示品などではなく道具として誰かが乗ってくれてくれたら最高。
いつまで在り続けてくれているか、浪漫です。