耐候性鋼のフレームに乗ってからというもの、過去はマイナス要素でしかなかった錆に魅了されている。
日本人の性なのだろうか、朽ちていく様や質素なものも美しい。
最近、錆の研究をしています。
わざと雨ざらしにしてみた鉄の棚。
これはただの生鉄。
細かな箇所を見ると、やはり朽ちていってるという錆。
工房前のポストの足、耐候性鋼で製作。
写真だと極めてわかりにくいが、錆び方が少し異なる。
これは我が通勤車。
少し手入れをしてあげている錆。
茶色が濃く、面も上の2つよりも整っている。
自転車で錆を嗜むのは通常ではおすすめしません。
この鋼材の特権です。
今後も変化を続けてくれるであろうこの素材は、完成直後よりも数年後のほうがはるかに雰囲気が良くなる。
数十年後にはどうなっているかわかりませんが、きっと今よりも趣深くなっていることでしょう。
耐候性鋼フレームのオーダーはそろそろお受けして良いという確信を得ています。
良くも悪くも癖のある素材ですが、気になる方がいらっしゃいましたらお問い合わせください。
鉄や真鍮、錆と緑青。
素材本来の味わい、我が心を魅了してやみません。