我が心中。

 

 

 

 

 

 

 

Lug set

 

 

ラグ。

普通のイタリアンカット。

 

当工房ではこのままカットせず使うことは無く、細やかな手間をかけ極微細かもしれない個性をのせていく。

 

 

ラグの方がフィレットより作業が楽なんてのはうちのビルドでは当てはまらない。

 

 

必要な強度を確保できれば余分なものはすべて削ぎ落とす。

さらに応力が集中しないように薄く削り込み、研ぎ澄ませていく。

肉厚変化が激しい厚いラグは少々寿命を短くするので、ただ永く乗っていただきたい一心で しっかりと作り込む。

エッジを立て、ロウ付け部の際をキリッと仕上げ追い込んでいく。

 

 

こうやってラグを作っていくとかなりの手間、けっして楽でない。

 

 

道具としての美と思えるぐらいに仕上げたら研磨を終える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Mr.YMGC's 2nd, URBAN CX

 

 

こうやって先日納車した一台も出来上がっている。 

 

手間かけようが気付いていただけないかもしれない、でもそれでも良い。

気付かれないような囁く程度のこだわりの積み重ね、これが全体の美しさになる。

お客様のお好みに合わせつつ、自分が良いと思えるものを作る。

喜んでいただけているだろうか、きちんと使えているだろうか。

臆病ゆえに、しっかり作っていくら検品しても気になって仕方がない。

 

 

 

ご要望を具現化できたときの快感、乗り手が見えない展示物製作ではいまいち燃えない性分。

お代いただく仕事だから感じるヒリヒリとした緊張感と責任。

オーダーいただいた感謝があるからこそ手間がかけられる。

お客さんのお蔭で我が生業の製作活動に励める。

信頼してくださるお客さんのフレームが作れるのが本当に有難い。 

 

 

 

 

工房かまえたばかりのお客さんがいない頃はラグを削る時こんな心境でなく、今となっては邪な気持ちで削っていた。

手間かけただけで大した意味もない飾り切りのコテコテラグなどをよくやってたが、今見ると激しく感じる違和感。

自己顕示欲だったり、手間=難しいといった考え、自転車はそんな浅い気持ちで作りたくない。

 

今となっては美しいイタリアンカットを切るほうが100倍難しく感じる。

 

 

これが進歩か退化なのかは自分ではわからないが、進むべき方向性はしっかり見えてきた気がする。

 

 

 

 

 

こんな我が心中です。

皆様のお蔭で色々追求できてます。

日々鉄粉にまみれるこの生活を送れるのも肌にあってます。

兎に角、深い感謝に尽きます。

 

今月も数台オーダー頂戴しましたが、どの方も自分を燃えさせてくださる気の良い個性の強い方々。

がっつりと手間かけて作り込んでお応えします。

面白いフレームが出来上がりそうです。

 

オーダーお悩みの方も遠慮なくご相談にお越しください。

自分などでよろしければ少々魂削って応えさせていただきます。

ご予約さえいただければいつでも快く対応しますので。

我が人生で作れる台数は限られますが、乗り手が居ないと自分の求める本質が出来上がらないのでもっともっと作らせていただければ幸いです。

人が使う自転車、これが美しいんですよ。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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