誂えの玄妙。

 

 

 

 

優しい皆様、我が足を気にかけてくださりありがとうございます。

 

腕もがれると繊細な仕事ができなくなり翼をもがれるようなもので非常に手痛いですが、片足無くても仕事は出来るし自転車には乗れるので楽観的です。

たとえ足もげても義足のメカメカしい機械仕掛けの真鍮カスタムとかして楽しみます。

一応まだ杖突きながらの電車ですが、多分適当によくなるでしょう。

検査待ちです。

 

 

 

 

 

 

Massa's Urban track

 

 

現役メッセンジャーのマッサのフレーム。

 

パーカライジングの下地がついた錆に強めなローフィニッシュと塗装を組み合わせなかなかイカしてます。

さりげない佇まいもよく仕上がった。 

 

 

 

うちの街中仕様のフレームに乗ってる方はサイズ感がデカいやら、ここが長いやら短いやらしばしば言われるでしょう。

この自転車のマッサもしばしば言われるらしいが、乗り手も作り手ともに百も承知の事で狙ってやった事。

ポジションは当然合わせてますから、乗り手も乗りやすいと言ってくれています。

 

これがデカいのではなく、通常の平均値が小さく見えるゆえの解決策。

ポジションは出ていても見た目が合ってなく一体感がないのはよく目にします。

 

 

経験と個性を生かしたジオメトリーであり、ポジションは勿論のこと、乗った際の美しさとメッセンジャー業務における性能向上を追求した結果です。

日本人は手足が短いので、ポジションを普通に出すと乗車時に自転車と身体を見ると自転車が小さく見えることがかなり多いです。

これも日々の通勤でかなりの人の乗車姿勢と自転車を見ながらはじき出した結果でもある。

 

 

フレームのジオメトリー構築にはセオリーをしっかり守らないといけない箇所と、崩して良い箇所があります。

基本構造をしっかり把握してなければ効果的な崩し所すらわかりません。

ガチガチにセオリー通りなら誂えの意味も薄れます。

何を汲み取り、どこに独自のスパイスをきかせるか。

どういった際にどうしてるかはブログには書きません。

 

守るべき事と崩し所は車種によってすべて異なるのが難しく面白い。

一見してさりげなく、違和感無く仕上げていく。

定石を踏みつつも、時には基本すらも疑い必要に応じて崩していくのも誂えの玄妙。

 

少し定石を崩すとおかしな目で見られやすい業界ですが、それゆえに崩す事の面白さと重要性を感じます。

 

 

製作を行ってきた車種の豊富さ、一台一台すべて異なるフレーム製作を行ってきた強みがうちにはあります。

すべては実経験から編み出したものです。 

 

ポジション出すだけなら市販品で十分。

それ以外に好みや乗車時の美しさ、その人の人生観までを醸し出すのがオーダー製作の本分だと考えております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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