しっかりとした強度を確保しつつ、違和感を無くしていく。
いつも製作で欠かさず考えている事の一つです。
うちのお客様に人気のモノステー。
シンプルながら良い個性がでる仕様。
色々と造形方法がありますが、よく用いるのが写真の材料小物。
すべて独自形状で製作する事もできますが手間も甚大なので、こういった小物を使ったほうが工賃が下がります。
この小物を如何にして組み込むか。
このまま普通に継ぎ合わすだけだと、継ぎ目が見えてしまったり不自然な突起もあるので美しくきまらず違和感が生じる。
継ぎ合わせ面内部にしっかりロウを流してから、必要な箇所にも盛ってから形を整え平滑に仕上げ。
パイプは削らないように気を払う。
流し込みのロウ付けとフィレット研磨を駆使。
曲面も極力歪みなく仕上げたので、塗装後にはどこが継ぎ目か全くわからなくなるでしょう。
ブレーキホールは簡単に済む穴あけだけでなく、強いトルクにも耐えうるように旋盤でひいた補強パイプを内部に仕込んでいます。
この小物、以前とすこし形状が変わった。
横のくびれの削ぎ落とし量が少し多く、僅かに強度が心配。
写真は全く同じ小物材料を用いています。
くびれ部分にもロウを盛り、元々こういった形状であったかのように仕上げる。
肉厚も十分になり強度もばっちり、肉厚を増した分剛性も僅かに向上。
今回のような細部は指定されずともこちらが思って行っている工程です。
指定された箇所はしっかり守り、こういった箇所のちょっとした個性を積み上げていくのが我が製作です。
なおかつちょっとした作り込みもすることでよりタフネスに仕上がり、より永くお使いいただけると思います。
気付かないような細かい工程。
ここで紹介するのもなんですが、気付いても気付かなくても良いと思っています。
でもどちらかと言えば、気付かれない自然な仕上げに出来てこそ意味がある気がします。
違和感の無い仕様。
そこには意外な作り込みがされているかもしれませんよ。
近づいてきた5日の10FESの仕込みも行っています。
真鍮パーツを削るタイミングも久々なので、チャンスとばかりに受注いただいているものも一緒に作っております。
お待ちいただいているお客様はまた個別に連絡しますが、5日までには完成出来ると思われます。
当日何が並ぶかは告知するかもしれませんし、お越しいただいた方だけの特権とさせていただくかもしれません。
うちのパーツたちは通常すべて受注生産ですので、直にお手に取ってご覧いただけるチャンスはこの日だけです。
すべて自分が手作業にて製作しておりますので、数は多くありません。
気にしてくださった方、是非この機会をお見逃しなく。