うちのフレームは地味かもしれません。
近年のご依頼内容は全体的にシンプルな仕様が多く、細かいところはお任せいただく事が多く目立たないところに注力する。
そんな地味で不確かなものを信じて今まで3台も頼んでくれた内閣府勤務の常連、愛称もそのまんまの内閣。
弐號機のロードが出来上がってから生粋のサイクリストに育ってきた男。
二人の子どもが居ながらも、家族サービスも自転車も仕事もすべて隔てなくこなせているタフガイ。
自転車乗る距離も内容も聞かせてくれますが、アマチュアの中では相当なものです。
自分は仕事と家族で手一杯、拙い我が気力だと自転車は仕事ついでの通勤しか乗れない。
時間はあるものではなく、作るものなのだなと強く感じさせてくれます。
絶対動き過ぎなはずなのに、微塵も疲れた素振りすら見せずに自然体で楽しんでいるのがただ凄い。
自分には到底辿り着けないような領域に彼は居ます。
こういった人間が3台目も頼んでくれるほどの信頼に応えるだけの何かが自分にはあるのだろうか。
でも信頼してもらえるならやるべきことは唯一つ、己に出来るベストを尽くすのみ。
機材のせいにしたくない、戦える一台が欲しい。
と言って、この依頼をくれました。
足も体力も気力も十分の人間が乗る、ある程度以上は行ってもらわねば作った自分のせいでもある。
こんな気持ちで出来るベストは尽くした。
パーツ組み付けはレーシング車組ませたらこの辺界隈でかなり定評のあるEFFECTのノッチ君。
機材のせいにしたくないという彼が己を追い込むため、持てるコミュニティでベストの選択肢。
昨日組みあがりを見せに来てくれた際に、今後の練習に臨むストイックさも見せてくれた。
気持ちも十分。
あとは応援するのみです。