2015年11月アーカイブ
28日土曜日は本来定休日ですが、ご予約都合などにより営業致します。
振替で29日日曜日は休業となります。
宜しくお願い致します。
REW10といえばフィレット、ラグレスが得意な工房。
などと巷ではささやかれているのを耳にします。
有難いイメージで、たしかに施工数はラグレスフィレットの方が多いですが、イメージというものはこちらが打ち出しているものとは異なり、自分でどうこうと言うよりも世間様が決めていくものなのでしょう。
この度ラグドご希望のお客様のフレームを仕上げさせていただきました。
ラグドも苦手意識は全くなく、フィレット同様に手間をかけて作らせていただいております。
ラグの方が手間がかからず製作が早いと言われたりしますが、しっかり手間かけると正直フィレットと変わらない、もしくはもっと手間かかります。
ラグの方が早いというのは接合した後にあまり仕上げをしていなければ、手間が省略でき早いということです。
出来あいのラグは、おおよそカットもアールもセクシーさに欠け、肉厚も厚く、ハンドメイドのビルダーとしてはそのまま使用できないものが多い。
諸々整えて使います。
日本製ラグのようなデフォルトでカットも良く肉厚も比較的薄く出来ているラグなら、ほぼ手を付けずにそのまま接合してもそれなりに仕上がります。
仕上げもさほど頑張らなくてもそれなりに綺麗、でも仕上がりはよく目にするそれなり。
良し悪しという事ではなく、生産性に優れた合理的製法であるか、一本入魂の製法であるかという違いです。
各部アールを考えエッジのカットを削り込み、溶接後などにもエッジをさらに立たせて、アールを整え肉厚を程よい感じで削いでいくには、ラグドもフィレットと同じような手間がかかるのです。
ラグカットの造詣は一見ではわかりにくいところもありますが、わかる人にはわかる。
エッジは殺さないようにフィレット同様に円やかに仕上げる。
誰がどう見ても最高の仕上げなど自分ごときには出来ませんが、頂戴したコストで出来る極力は追い込む。
本日、オーナーさんにも現物を見ていただき、しっかり喜んで気に入っていただけた。
万人受けに近づいたら幸いではあるが、そのオーナーさんが気にいってくれれば自分にとってそれで御の字。
その人を考え、磨いでいく。
REW10の売りとは一体何か。
フィレット云々という捉え方をされている方は、自分の思うところからすると少し誤解かもしれません。
あえて言うならば、製法や小手先の手法とかだけでなく、それ等を含め自分という人間が作るというのが最大の売りと申しましょうか。
何かを感じていただきご依頼くださるならベストを尽くすのみ。
日々汗水流して働いた身銭を切ってうちにご依頼くださる、そんな光栄で有難いことはありません。
お客様のおかげで本日も生きることができます。
圧倒的品揃えで近くにあると何かと重宝するBLUELUG。
その上馬店でお客さんの立場に立ちいつも細やかな接客してくれる六角おじさん、隆天朝飯會について紐解いてくれました。
店長、深くどうも有難う。
http://blogged.bluelug.com/kamiuma/2015/11/13/34603/
朝飯會って何...????????????
という方が多いかと思いますが、こんな事が行われている催しです。
いつもお世話になっている友達や常連さんも居れば、これがきっかけではじめての一見様もいらっしゃいます。
盛況で多く人がガヤガヤ楽しく出来るタイミングもあれば、人が少なくゆったり話せるタイミングもあります。
自転車の話や、REW10の仕事の話、各種ご依頼相談、世間話等々、どなたとも昨日はほんと楽しかった。
いつもたった一人で製作製作でひきこもっているので、皆様と話すと力をいただけて製作意欲が向上します。
自分にとって人の繋がりというものほど有難いと感じれるものはありません。
口下手なところもありますがネットでは決して味わえない対面ならではの面白さ、わざわざご足労いただけるのが喜ばしくて仕方ないです。
業務は一人ですが皆様の支えあってのREW10、これは片時も忘れない。
日々人のために考え技術を駆使し、業務維持や生活のために対価を頂戴する仕事。
こうして人と共に楽しむのを肌身で感じるのは自分の生き甲斐です。
自分はSNSのいいね!より直のこれが嬉しい。
しようとしなくても嫌でも敷居が高くなってしまううちのような工房ですが、催し事の際は常々オープンです。
是非次回もお越しください。
数は少ないですが、REW10グッズのアウトレットが並ぶのもこの催しのみ。
毎月チャリンコーヒーとコナクックと共に皆様のご来場をお待ちしております。
本日は隆天朝飯會にお越しいただき有難うございました。
この會も少しは浸透してきたのか、毎月欠かさずお越しくださる方もちらほらと。
うちのような工房へ朝からご足労いただき、光栄な限りです。
どなた様も歓迎ですしこの催しは普段のようなご予約が不要ですので、はじめての方もお気兼ねなくお越しいただけましたら幸いでございます。
アウトレット販売も好評でした、またやれたら朝飯會のみでやります。
今後の朝飯會は第一水曜に固定せず、今回のように変則的でやっていこうかと相方たちと考えております。
決まり次第また告知しますので、今後ともよろしくお願い致します。
この前のALLEYで一位と二位のREW10乗り二人も登場。
明日またALLEYCAT。
21:00~ 青山公園です。
昔作ったフレームを見ると思い返す事もあったり、当時の思いがなんとなく感じ取れる。
工房立ち上げて1年ほどだろうか、その時にご依頼を頂戴したフレームが作業依頼で工房へ帰ってきた。
いわば我が子との対面、懐かしい。
うちのフレームには一台も欠かすことなく刻んでいる銘切という刻印がある。
今とは刻む位置も内容も筆跡も違うが、平成21年製というのがわかる。
当時から現在に至るまでずっとメッセンジャーを生業としているこのユーザーさん。
日々のデリバリー業務で酷使しても長く乗れていて安心。
過去の技術でもこれだけ使って長く乗れるものを作れた、今ならもう少し向上しているはずと少し自信が持てる。
おおまかな仕様は一台一台ほぼすべて憶えているが、流石にごく細かいところまではどう作ったかは記憶にない。
参考がてら少し観察。
細部や個性の出し方は今と方向性が異なるが芯は変わっていない印象。
そういえばたしか語った事がないが、創業当時からラグレスのBB付近接合部は少し定石と違う仕様にしていた。
今は自然にやっていることになったので、昔のフレームを見て思い出すように気付く。
細かいですが、この際少し説明してみましょう。
通常の自転車フレームのBBまわりの作りは、BBパイプ(ラグドも)の中心に向かってシート・ダウンチューブ及びチェーンステーの中心線をとるようになっています。
わかりにくいかもしれませんが、上記写真の通りです。
各パイプの中心線がBB中心と交差します。
これはうちのラグレス。
シートチューブはシート角を出すためにも中心線を交差させてますが、BB中心線からダウンチューブ及びチェーンステーの中心線を下方向に少しずらしています。
ペダリングの際にかかる力は下方向へいくのが強いので、下から包み込むように各パイプでしっかり支える作りです。
BBパイプとダウンチューブ&チェーンステーの下側ツラ位置をぴったり合わせライン取りも綺麗にあがります。
ラグフレームだとBBラグの挿入位置に依存してしまうことになるのでこういった工作ができませんが、ラグレスは自由度が高いのを生かしています。
うちのラグフレームはBBだけラグレスなんてのも多かったりします。
自転車作りは人力を効率よくさせるため、ごく細やかな工作の積み重ねが大事です。
フレーム製作の定石を知って、何故それが定石であるか探ってみた結果に変えても良い事もあります。
そんな考えでこういった工作を重ねて日々製作しています。
REW10フレームのラグレスBBはこうなっているのがほぼすべてだと思いますので、ユーザーさんも気にしてみると面白いかもしれません。
さて、今回なぜに作業依頼が入ったかと申すと、固着です。
今回はシートポストが折れ、それからさらに固着が判明した模様。
なんとか助けてとの依頼。
他の修繕などなんでもそうですが、固着は特に実際に作業してみないと固着具合が把握しにくいです。
事前に確定見積もりを立てにくく、恐縮ながらかかった手間分の工賃となります。
炙ってしまえば幾分楽ですが、勿論塗装が剥離してしまいます。
最悪そうなっても良いとご理解いただいたが、古くからうちを支えてくれたユーザーさん、なんとか応えたい。
折れるぐらいなので幸い比較的肉厚の薄いポストだったので、リーマーで少しずつ削り落とすことに。
これがなかなかの力仕事でなかなか骨が折れる。
0.05㎜~0.1㎜ずつぐらい少しずつ何度も削って外れた際の達成感は一入。
錆などで荒れていたので内径を極力変えない程度に綺麗に内径研磨。
検査用のポストを挿し、スルスル過ぎずちょうど良い感触になりました。
固着は事故ではなく、油分切れなどが原因で人為的に起こる症状です。
通常ですと1~2年に一度程度で十分なので、ポストを抜いてフレーム内部及びポストを綺麗にしてグリスアップを是非してあげてください。
怠ると固着する可能性もあがり大変ですよ。
あと折れた原因ですが、やはり軽量ポストであったというのが一番考えられます。
クロモリフレームはクランプネジが直接ついているものが多く、締結力が一点に集中しがちです。
肉薄なものやカーボンポストなどですと閉めこむ際に変形も生じやすくそこに応力もかかります。
耐久性などを考えると日東さんのS65などのしっかり肉厚があるものなどが非常に相性が良いです。
しかしこうして見ていると、傷だらけになったフレームはなんとも良い。
展示だけに生まれたような一度も乗られたことがない自転車は、自転車のようで自転車ではないように思えます。
使い込まれたという事はずっと愛されてきたということでもあります。
人が使うことによって自転車という乗り物には命が宿ります。
道具としての自転車、探究心が止みません。
毎月恒例の朝飯會ですが、今月は第一水曜日ではなく今週12日木曜日になります。
午前7時~正午12時までとなります。
この會の相方たちは毎度同じコナクックとチャリンコーヒーになります。
今回REW10として少しだけ企画を。
アパレルやグッズ類のサンプルやアウトレットを特別価格で販売致します。
あまり数はないですが、巡り合わせが良い方はラッキーです。
この機会でしか販売しませんので、気にしていただける方は朝飯とともに是非どうぞ。
皆様のご来場をお待ちしております。
尚、毎週水曜日は作業集中や外回りなどのための定休日ですが、11日水曜日は準備なども少しあるので営業致します。
朝飯會当日の12日木曜日は振替で催し終了後は休業となる予定です。
宜しくお願い致します。
受注いただいたバングルと私物サンプルバングルです。
焼き色がついたものは私物サンプル。
ステンレスの六角棒をベース素材とし、六角の一面を削って真鍮をのせて仕上げました。
無骨な質感が良かったので私物は焼き色をつけてフィニッシュ。
少々荒々しい雰囲気。
使い込むと焼き色も徐々に磨かれ、角から少しずつステンレスの銀色が出てくることでしょう。
焼いてくすんだ真鍮の金色の変化も同時に楽しめる色々おいしいバングル。
下側のものはお客様より受注いただいたバングル。
こちらもステンレスベースに真鍮をのせたもの。
三面を削ってから真鍮をロウ付けにて盛り付け、また三面を研磨して正六角形状をほぼ保ったままにしています。
今回鏡面磨きではなく、手作業感を残すため研磨目はある程度残しています。
肌に触れる裏側三面はステンレスなので、真鍮バングル使用時のように手首が黒くなることはありません。
表三面は真鍮なので、真鍮の質感はじっくりお楽しみいただけます。
いずれも曲げ、溶接、研磨などの工程で手間がかかった仕様です。
真鍮そのままよりコストはかかりますが、受注生産にて製作承れます。
これらバングルはオンライン販売及び通信販売は一切しておりません。
素材も太くシルバーなどと違い非常に固いため、設備がないと曲げ直しがほぼ不可能です。
超人的桁外れな剛力の持ち主ならもしかしたら曲がるかもしれませんが、通常の成人男性の力ではまず無理です。
バングルは曲げ直したりしてサイズ調整出来るものが多かったりしますが、細かな調整が工房でないとできません。
本業合間の副産物ですので、各サイズを揃えるほど多く作るつもりもありません。
有難くもしばしばお問い合わせいただきますが、ご使用のご本人様がご依頼時と納品時に二度お越しいただかないとお作りできません。
ご依頼時に計測して、出来上がり時に実際に着用していただき微調整を加えたもののみ納品となります。
折角お使いいただくわけですから、しっかりサイズとフィーリングが合ったものを使っていただきたい一心です。
お手数おかけし大変申し訳ないですが、上記性質ご理解の上でご検討ください。
急ですが、明日2日月曜日は製作作業以外の業務都合により休業とさせていただきます。
誠に勝手ながら申し訳ありませんが宜しくお願い致します。