REW10といえばフィレット、ラグレスが得意な工房。
などと巷ではささやかれているのを耳にします。
有難いイメージで、たしかに施工数はラグレスフィレットの方が多いですが、イメージというものはこちらが打ち出しているものとは異なり、自分でどうこうと言うよりも世間様が決めていくものなのでしょう。
この度ラグドご希望のお客様のフレームを仕上げさせていただきました。
ラグドも苦手意識は全くなく、フィレット同様に手間をかけて作らせていただいております。
ラグの方が手間がかからず製作が早いと言われたりしますが、しっかり手間かけると正直フィレットと変わらない、もしくはもっと手間かかります。
ラグの方が早いというのは接合した後にあまり仕上げをしていなければ、手間が省略でき早いということです。
出来あいのラグは、おおよそカットもアールもセクシーさに欠け、肉厚も厚く、ハンドメイドのビルダーとしてはそのまま使用できないものが多い。
諸々整えて使います。
日本製ラグのようなデフォルトでカットも良く肉厚も比較的薄く出来ているラグなら、ほぼ手を付けずにそのまま接合してもそれなりに仕上がります。
仕上げもさほど頑張らなくてもそれなりに綺麗、でも仕上がりはよく目にするそれなり。
良し悪しという事ではなく、生産性に優れた合理的製法であるか、一本入魂の製法であるかという違いです。
各部アールを考えエッジのカットを削り込み、溶接後などにもエッジをさらに立たせて、アールを整え肉厚を程よい感じで削いでいくには、ラグドもフィレットと同じような手間がかかるのです。
ラグカットの造詣は一見ではわかりにくいところもありますが、わかる人にはわかる。
エッジは殺さないようにフィレット同様に円やかに仕上げる。
誰がどう見ても最高の仕上げなど自分ごときには出来ませんが、頂戴したコストで出来る極力は追い込む。
本日、オーナーさんにも現物を見ていただき、しっかり喜んで気に入っていただけた。
万人受けに近づいたら幸いではあるが、そのオーナーさんが気にいってくれれば自分にとってそれで御の字。
その人を考え、磨いでいく。
REW10の売りとは一体何か。
フィレット云々という捉え方をされている方は、自分の思うところからすると少し誤解かもしれません。
あえて言うならば、製法や小手先の手法とかだけでなく、それ等を含め自分という人間が作るというのが最大の売りと申しましょうか。
何かを感じていただきご依頼くださるならベストを尽くすのみ。
日々汗水流して働いた身銭を切ってうちにご依頼くださる、そんな光栄で有難いことはありません。
お客様のおかげで本日も生きることができます。