また作りたくても訳あってずっと作っていないモノがあります。
作りたかったのはそれで生まれたもの。
前にお会いした際に、トントン拍子で話が進んだダマスカスのコラボ話。
狙いすましたわけでもなく双方ともに直感的にかみ合って、ごく必然的かつ自然に進んだ有難いお話。
BOREDさんの分厚いご助力の甲斐あって、あの時は納得の出来栄えなヘッドキャップに仕上がった。
手前味噌で恐縮ですが、名品とも思えてくるぐらい惚れ込み、あれからずっと愛車に付いてます。
コラボでの限定品だったので、あれから販売はしていない状況。
ダマスカス鋼は本当に魅力的な素材です。
しかしこの辺の界隈だとBOREDさんが先に見出した素材。
あれからずっと使ってみたかった素材。
模倣などを好まないのは以前も語りましたし、人様からのアイディアでましてやお世話になっている知人。
自ら申した事や、浅はかにも無断で進めるなんて事は我が選択肢に無し。
何事も筋通っていない事はすべきでありません。
しかしあのコラボさせてもらった時に感動を今一度と、使いたい製作意欲も抑えきれなくなってきました。
以前からの恩義もあり用いるのならば、きっちり筋通すべく失礼ながら直に相談する事に。
駄目なら潔く諦めようと当たって砕けろ、うちの製作でダマスカスを使わせてください!と相談したところ、寛大にも気持ちよく快諾いただきました。
という事で、BOREDさんのご厚意あってずっと作れなかったダマスカスヘッドキャップをおそらく再販する事になると思われます。
コラボさせていただいた好みもあり、BOREDさんは以前のような作業をされていないのもあり、引き継ぐ感じでもREW10でやらせていただくことになりました。
前回と異なりBOREDさんのお力添えが無くなるので、うちで材料手配から始めます。
切削は当工房にて行っていたので問題ありませんが、仕上げがうちで出来る仕上げとなるので以前とは多分異なります。
価格なども変動あるかと思われます。
うちはおそらくBOREDさんほど手際も良くないので、発売時期も今のところ全く不明です。
すべてBOREDさんより預かった残材で作ったサンプル。
ステンレス主体のものとスチール主体の異なるダマスカス。
快諾いただいてまた作れるのが嬉しくて、夜な夜なうちで出来る仕上げ技法を模索しておりました。
磨きこんでから腐食、色が出るように燻して諸々仕上げ。
以前も使ったVG10はやはり安定の格好良さ。
触ると凸凹した杢目状の質感、輝く照りと無骨さが同居し、やはり雰囲気です。
写真では伝わりきらないのがもどかしい。
スチールは腐食させた後は少しボケる感じ。
どんな仕様でどんな仕上げにするかは材料探しながら研究しておきます。
一つと同じ杢目や色が出ないので、製作意欲が高ぶる本当に面白い素材。
ヘッドキャップのみならず、色々と応用して用いていきたいと考えてます。
鉄、真鍮に次いで、ダマスカス鋼もREW10がよく用いる素材としてやっていきたい次第です。
BOREDさんの寛大なるご対応にスペシャルサンクスです。
引き継いで恥じぬように頑張ります。