先日案内したダマスカス鋼の材料を早速入手。
日中は通常業務を進め、業務終了後の真夜中時間帯を主にダマスカスの試作及び製法考案を進めました。
うちの業務時間が長くなってしまうのは自分の美学でもなんでもなく、己の段取りがよろしくないのもありお恥ずかしい限りです。
最近何故だか不眠症気味、その寝れない&すぐ起きてしまう時間を利用して製作に集中です。
現時点で手に入り得るダマスカス鋼を概ね入手し、積層杢目を効果的に出すための切削法、磨きやエッジングの手法、色付けや仕上げの手法、現物で様々な製法を試行錯誤しながら試作しました。
どれもなかなか良いですが、出来上がった感触や数日実際使用してみてのボツ案も決まってきました。
わかってはいたがやはり鉄はダメ、ちょうど梅雨時期もあってやはり錆が気になる。
個人的には錆もうまく付き合うと良いものだが、公に販売するにはかなり人を選ぶのでとりあえずボツ。
とりあえずこの二案はほぼ販売決定です。
二案ともにステンレスの積層ダマスカス、錆は勿論大丈夫。
色付けの手法がどれほど実用に耐えうるか試してからの販売です。
以前からやっていた手法の仕様につきましては近々販売開始します。
実用結果を早く割り出すためには一番効果的な方法、それは日々肌身離さず過酷に使う事。
試験機的設備などちっぽけな工房にはないので、実使用結果が一番。
そんな条件を満たすのに最も良いと考えたのが、ちょうどうちでも色々作っているバングル。
バングルなら常々擦れるし、塩分や皮脂などにも常にさらされ、季節も今が一番金属に厳しいタイミング。
て事でバングルを試しで色々作ってみました。
いつも作っているバングルよりもかなりの手間を要します。
おかげで披露痕倍気味ですが、モノが出来上がっていく度にダマスカスの奥ゆかしさに高揚し疲れを忘れながらできました。
どれも素材感を生かして、REW10らしく仕上げたつもり。
うちのイメージアイコンでもある真鍮をライン状に入れたり、刃物の刃紋を模したイメージで波状に取り入れたり、少し工夫して特有の空気感を。
主役はダマスカスなので真鍮は薬味程度にピリッと。
やっていくうちの出せる色のコントロールも些か出来るようにはなってきましたが、塗装などと異なり素材そのものの色になるので、現状の技術と経験では完全制御は不能です。
その杢目や色調の個体差がこの素材の楽しいところであり、最大の良さでもあります。
燻したばかりの出来上がりは色が鮮明。
おそらく月日とともに鮮やかさは低下しますが、引き換えに味わいもでてくることでしょう。
お客様に気に入っていただくため、もっと研究せねば...
やりたい事がまだまだ多すぎて残りの人生で足りるものでしょうか。
ダマスカスもその他も様々、試行錯誤の我が生業は果てしなく続きます。
販売開始に付きましては追って告知致します。