彼の自転車、良い味に育ってきた。
メッセンジャーっぽくして欲しいというオーダー内容。
過去の勤務経験も生かして全力でそんな雰囲気と乗り味を出したつもりです。
これをオーダーした時の心境が高じて、本当にメッセンジャーになってしまったこの男。
見た目だけでなく、本当にデリバリーでも有効なポテンシャルを込めておいて良かった。
メッセンジャーといえばこんな感じだろ!と、相談時の参考に見てもらったのがこの本。
目を通せばすぐに高揚し、痛く気に入った様子。
自分も過去に擦り切れるほど見ていて、この写真の本は実は二冊目。
もう一冊は自宅の本棚で朽ちかけてます。
この本見てリアルなメッセンジャーの息吹と自由を感じ、バイブルとなっていた一冊。
この手のものが好きな人間には、メッセンジャーのカルチャーは本当に格好良く映ります。
そんなこんなで出来上がった彼の自転車、そして本職のメッセンジャーとなって傷だらけになった彼の自転車は本当に恰好良い。
本職でないと付かないこのキズ。
キズだらけだけどタフに作ったし、ダメージなどはなくまだまだ乗れる。
一見粗雑にも見えますが、彼はすごく愛車を大事にしてるのが伝わってきます。
いつも駆動系は綺麗でメンテナンスはきちんとされてるし、ちょっとした何かでもあればすぐにうちにも持って来てくれて調整も抜かりなし。
来てくれる度説明もして、モノとの付き合い方を深く知ろうとしてくれてます。
使い込んだ自転車の味わい、大好物です。
ピカピカの自転車では語ることの出来ない領域がここにあります。
今や憧れた本の中に載っていてもおかしくないような雰囲気になってます。
ほんとにシブい。
真鍮好きも高じてメッセンジャーでの通り名もブラス君となったこの男。
自転車細部にREW10の真鍮パーツを搭載し、デリバリーに勤しむ。
それだけでは終わらず、REW10真鍮アクセサリーは勿論、うちの真鍮ボタンやリベットの付いた服を好んだり、その他持ってる服のボタンの多くも真鍮ボタンに打ちかえて欲しい等々。
すっかりその名の通りになって、名は体を成してる正に真鍮野郎。
日々足繁く通ってくれて有難い限りです。
自分の手の入ったものに意味を感じてくれて使ってもらえるほど有難いことはありません。
不効率な業務ばかりですが、これからも何か気の通ったものを作り続けたく思っています。
前から己の性質を痛感してますが、効率的に数多く作って売っての業務をするのは不器用な自分にはおそらく無理です。
職人らしく、言葉でなくモノで語れるように頑張ります。