今回はもっと制動力を向上させたいというカスタム内容です。
純正のフォークに適合するブレーキの中で制動力をしっかり確保できるものがなく、Vブレーキ仕様のフォークを作らせていただきました。
奥様とお子様に確かな安全をお求めの旦那様の探求心たるや、凄まじいもの。
以前のカスタムから制動力に不安をお持ちだったので、今回のフォークを取り付けるまでに色々試しています。
フォーク作る前にBMXのUブレーキなども付けてみましたが、しっかり制動させるには少々足りない動作感だったので、最後の手段かつ今回の自転車には最高峰の選択肢であるVブレーキの付くフォーク製作をすることになりました。
ディスクブレーキを付けるという事も相談話に挙がりましたが、ママチャリ使用だとローターを曲げてしまいそうという事を気にしてらしたのでVが良いという流れに。
Vは一度付けてしまえば手軽なのも良いところ。
懐かしパーツのデンデン虫付きなのも良いところです。
狙い通りでしっかり制動します。
これならとりあえず不安要素は拭い去れてます。
フォークは強度をがっちり上げるためにディスク用の厚いブレードで組んでます。
こういった類の自転車はスポーツ用途とは異なり多少の軽量化などほぼ意味を成しません。
それよりもしっかりとした強度が大事、壊れるなんて事はあってはなりません。
ついでに走破性確保と走行感向上のため、前輪を18インチから20インチにサイズアップ。
ジオメトリーを変えないようにヘッドチューブの下側を長くなった分だけカット。
切り代にちょうど良い余剰分もあったのでバッチリきまってます。
オーナーさんも自分も乗って確かめましたが、純正より総じてかなり良くなった感触でした。
この手の自転車はスポーツバイクの製作技術とは異なるものが求められますが、この辺は得意分野です。
組付けと塗装はまた旦那様が進められました。
諸々の箇所で良い手法をとられていて、本気でありながらも抜きどころもしっかり理解してらっしゃるプロ顔負けの仕上がりであると言えます。
カスタムしない純正でも良い自転車ですが、この自転車は道具としてさらに優れたものになったと思います。
とりあえずこれですべて終わった感触。
このお方の探求心と柔軟性はこちらも学ぶ部分が多く、本当に良い仕事をさせていただけたと思います。
色々な苦労を経てやっと完成、達成感とともに一抹の寂しさすらあります。
ゼロベースからのオーダーでなく、市販品のカスタムでも本気でやればかなり良いところまで持っていけたりもします。
今回のような自転車はすべて作っているととてつもない金額になってしまうので、今回はゼロベースで作るより市販品カスタムでないと難しいケースです。
車種やカスタム内容によっては限界もありますが、出来る事ならば積極的にお受けしてます。
ママチャリだから工賃も安い、高級車だから工賃も高い、こんな事はでなくすべてかかった手間に比例して工賃がかかります。
今回の仕事はママチャリですが、電動三輪車という性質で手間がとてつもないので安くないです。
このように元の商品価格や車種関係なしに手間分の工賃はかかります。
守備範囲の広さには自信があります。
熱心にお考えの方はぜひご相談ください。