外出自粛の世の中ですが、元々とあまり変わらないスタンスで工房で製作に励んでいます。
でもご来客は少ないので早く落ち着いて欲しいですね。
さて、本日は自転車でなく植木鉢の話です。
REW10は自転車主体ゆえ興味ない方はごめんなさい。
一見関係ない分野ですが、自分が欲しいものを作るというのと、作るものに対しての雰囲気作り、道具としてしっかり作り込む、というのは他のREW10製品と変わりありません。
少しでも興味ある方は変わらず一読くださると嬉しいです。
細々と個人で嗜んでいた園芸趣味の延長で作ってきた金属の植木鉢。
植物は好きで楽しんでましたが、使う鉢はあまりこだわりなく黒いプラ鉢を主に使ってました。
でも植木鉢を見てモヤモヤしていたのは事実で、なんか自分にあったものはないものかと思いました。
ハンドメイドの鉢は陶器のものが主流ですが、見ると非常に格好良いものも多いのですが、どうも自分のスタイルではない気が...
ある日、自宅にて愛車のメンテナンスをしてる時、育てている植物をみて閃きました。
この愛車に使っている耐候性鋼を使った植木鉢があったら面白いだろうなと。
作るものを思いついてしまったらもう止まらない性分ゆえ、休み明けにすぐ鋼材屋に連絡し植木鉢で使えそうな径のパイプを取り寄せました。
金属鉢は園芸ではブリキ缶みたいなものしかなく、やってみなければわからないのでとりあえず自分が使うためにはじめました。
少しだけ必要でも定尺の長い分でしか購入できなかったので、一個人では消費出来ないぐらいの材料、いまだに当時購入した材料が残っています。
パイプ切っただけと言われるような当工房の鉢ですが、その中でも試行錯誤はしてきました。
コーティングやメッキなどしたくなく、素地そのままがよかったので癖もありました。
根が錆び付いて植え替えがやりにくかったり、用土のPHや薬品類で腐食もしたり、トラブルも起こっています。
未来永劫に老朽化しないものではありませんが、数年間に試行錯誤して結果、植木鉢として十分に使え、かなり長持ちするであろうものには行きついた気がしてます。
育成についても特に大きな問題なく、十分販売できるクオリティになったと現在に至ります。
描いていた植物だけでなく鉢の錆も育てるという事が実現でき、自分のライフスタイルにぴったり合う植木鉢が出来たと楽しみながら自分でも使っています。
当工房のお客様にも園芸を嗜んでいる方がいらっしゃり、当工房の鉢を好んで使ってくださる方々も少しずつ増えてます。
ある日、triggerさんという植物屋さんからお問い合わせをいただきました。
前から金属で植木鉢を作るのが夢だったらしく、それを形にしていた当工房の鉢を見て共感してくださり、是非取り扱いさせてほしいと。
非常に熱い信念をお持ちの方、自分も少なからずそういった部分もあるので、とんとん拍子でお受けする事になりました。
自分で嗜んでいただけのようなものがプロの方にも扱っていただけるのは良い経験にもなると思いました。
出来上がった鉢はこれです。
当工房のPOTAL耐候性鉢と同様の細部仕様とし、trigger様の打刻印を打たせてもらいました。
これはラインを一本入れたものです。
黒をテーマの一つにされたいとの事だったので、ラインをうっすら錆びさせて黒錆転換剤を塗ってます。
当工房の基本構造と同様に黒皮も残したままにしており、これでも黒を楽しめます。
使っていくと赤錆~茶錆を経て、濃密な色に変化していきます。
これが耐候性鋼を用いた鉢の醍醐味です。
その他植木鉢も作らせてもらう流れになってます。
trigger様のホームページへリンクから飛んでもらうと、今回の植木鉢についての記載があります。
今回は販売型クラウドファンディングという形で取り扱ってもらってます。
4月22日よりスタートしており、お手元にいくのが7月頃になります。
trigger様とのコラボ鉢は当工房では一切販売しておりませんので、trigger様にてお買い求めください。
trigger様の扱う素晴らしい植物とともに金属鉢の楽しさを感じてもらえたら幸いです。
当工房でも随時、各種製作ご依頼お待ちしております。