6~7年ほど愛用の私物カラビナ。
カラビナ開発時にプロトタイプとして作った3本目、概ね今の製品版の原型になった最初の産物を使い続けてます。
この頃すでに対候性鋼愛車のおかげで鉄の錆に魅了されていたので、このサンプルの開閉ゲートはステンレスでなく無垢の鉄で作りました。
仕事で汚れた手でも触るし、その汚れを洗い落とした濡れた手でも平然と触ってます。
ゲート部分はすっかり錆びてはいるもののしっかりと馴染んでいて、ボロボロに腐食しそうな気配もない状態。
この状態になってからはすでに数年以上は雰囲気が変わってなく、保護層として成立しています。
対して錆びない状態を保ってる鉄も。
これもサンプルとして生み出された私物の鉄ダマスカスバングル。
カラビナの数か月後にできていて同じくずっと使ってますが、これがまた全く錆びない。
錆を愛する自分はわざとびっしり錆を付けたりもしましたが、使い込むうちに綺麗さっぱりなくなってしまいました。
裏側にはステンレスを仕込んでいるので、裏側の腐食や錆は全くの皆無。
こんな状態の鉄と日々向き合い自ら実際に使っていると、錆は時に悪いものでなくなる事に気付かされます。
錆は腐食から生成されるものではありますが、腐食がさほど進行していない状態なら影響も極めて少なく保護層として扱う事もできますし、すべてが悪さするわけではないです。
雨ざらしや放置は論外、そうなるとたちまち鉄はボロボロに劣化していきます。
愛情注いであげれば錆とはオトモダチ。
これは自分がフロントフォークに薬剤と諸々で丁寧に生成した錆です。
ボロボロに腐食しておらず緻密でサラサラの綺麗な錆。
こうなると錆は本当に美しい。
優しく磨けば照りが出たりもして、レザーのようにも楽しませてくれます。
油分を入れてやると色濃くなるもの面白い。
自転車においてもきちんと管理すれば良い錆と仲良く付き合えます。
今自分が乗ってる愛車では薬剤生成でなく自然生成の錆を楽しんでますが、途中経過である斑状の錆は敬遠される方が多いと思われます。
すべての鉄自転車に勧めるような仕上げではなく、フレームの作りも多少考慮したほうが良いです。
それを見越して作れるオーダーフレームだと最高相性になります。
一癖あるし錆に対してのイメージも良くないので、こういった仕上げを変に広げようとは思いませんが、鉄と錆を愛しこうやって付き合っている人間もここに居ます。
先入観でほとんどの人に忌み嫌われてしまう錆ですが、仲良くすると錆は相当美しく良いものに成り得ます。
最も身近で多い金属である鉄、でも価値を見出し身に着けようとする人は少ないので個性になったりも。
生きているかのような息吹を感じさせてくれる金属は鉄ぐらい、自分にとっては最高の金属です。
写真のような錆仕上げのオーダーフレームも受注承っております。
錆にご理解持てそうな方はぜひご相談ください。